睡眠時無呼吸症候群

  • HOME
  • 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が一時的に止まる、または著しく浅くなる状態が繰り返される病気です。
この病気は、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こすだけでなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを増加させます。

特に、高血圧との関係は非常に密接です。高血圧の患者様の約3割に睡眠時無呼吸症候群が合併しているとされています。高血圧の飲み薬が効きにくい患者様に限ると、約8割もの方に睡眠時無呼吸症候群の合併が見られるとされています。
さらに、中等症・重症の場合には心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことがあり、死亡率が高くなることが知られています。

この病気は、適切な診断と治療が非常に重要です。治療によって、症状の改善だけでなく、高血圧やその他のリスクを低減し、生活の質を大幅に向上させることが可能です。
当院では、検査から治療に至るまで、一貫して診療を行うことが可能です。

睡眠時無呼吸症候群の種類

睡眠時無呼吸症候群には、主に以下の3種類があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群の中で最も一般的なタイプです。このタイプでは睡眠中に上気道(主に喉の奥)の筋肉が弛緩し、気道が狭くなったり閉塞したりすることで呼吸が一時的に停止します。いびきが特徴的で、肥満や加齢、アルコール摂取がリスク要因となります。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

脳から呼吸筋への指令が適切に伝わらないことが原因で発生します。このタイプでは、気道の閉塞は起こらず、呼吸そのものが中断されます。心不全や脳血管障害、神経疾患などが背景にあることが多く、頻度は比較的少ないですが、閉塞性睡眠時無呼吸よりも治療が難しい場合があります。

混合性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性と中枢性の両方の要素を持つタイプです。初期には閉塞性無呼吸が見られますが、治療中や進行に伴い、中枢性無呼吸が併発することがあります。このタイプは、両方の要因が絡むため、診断と治療が複雑になります。

睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群では、以下のような症状が現れることがあります。

  • 大きないびき
  • 睡眠中の呼吸停止
  • 昼間の強い眠気
  • 朝の頭痛
  • 集中力の低下 など

 

 

 

また、以下の項目の合計点数が11点以上の場合、睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。(Epworth Sleepness Scale(ESS))

状況 決して眠くならない まれに眠くなることがある 時々眠くなる 眠くなることが多い
座って読書をしているとき
テレビを見ているとき
人がたくさんいる場所で座って何もしていないとき(例えば会議中や映画を見ているときなど)
車に乗せてもらっているとき(1時間くらい)
午後、横になって休憩しているとき
座って誰かと話しているとき
昼食後静かに座っているとき
運転中、渋滞や信号待ちで止まっているとき

※表は左右にスクロールして確認することができます。

 

運転中や作業中に注意力が散漫になると、命に関わる事故を引き起こす可能性もあります。これらの自覚症状がある方や、大きないびきをご家族などから指摘されたことがある方は、当院へご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の合併症

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返される無呼吸や低呼吸によって、全身にさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。主な合併症は以下の通りです。

  • 高血圧・・・無呼吸による酸素不足が交感神経を刺激し、血圧が上昇します。これが慢性的に続くことで高血圧が出現あるいは悪化します。
  • 心筋梗塞・・・酸素不足が心筋に負担をかけ、心筋梗塞のリスクが増加します。重症の場合、突然死の可能性が高まります。
  • 脳梗塞・・・無呼吸による血圧変動と酸素不足が脳血管に負担をかけ、脳梗塞を引き起こしやすくなります。
  • 糖尿病・・・慢性的な酸素不足がインスリン抵抗性を悪化させ、糖尿病の進行を促します。
  • 不整脈・・・酸素不足と交感神経の過剰刺激により、不整脈のリスクが高まります。
  • 心不全・・・心臓への慢性的な負担が心不全を引き起こすリスクを増加させます。

こんな指摘を受けたら黄色信号

前述のような自覚症状がある方や、以下のようなリスク因子のある方はは、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、ぜひ当院へご相談ください。

  • 肥満傾向がある
  • 首まわりが太い
  • ご家族に睡眠時無呼吸症候群の方がいる
  • 高血圧が治療をしてもなかなか良くならない など

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が狭くなったり、呼吸中枢が適切に機能しなくなったりすることで発症します。主な原因として、肥満や扁桃腺肥大などによる気道の閉塞、加齢による筋肉の弛緩、神経系の異常、アルコールや睡眠薬の使用、喫煙などが挙げられます。これらの要因が重なり、呼吸が一時的に止まる無呼吸状態を引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群の診断には、簡易検査と精密検査の二つの方法があります。当院では、いずれの検査も外来での実施が可能です。

簡易検査

まずは、簡易検査を受けていただきます。ご自宅でお休みになる際、指や鼻に簡単なセンサーを取り付けていただき、睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度を記録します。起床後にセンサーを取り外し、ご提出いただくだけで検査が完了します。簡易検査のみで診断が確定する場合は、この段階ですぐに治療を開始することが可能です。

精密検査

簡易検査では診断が確定しない場合もあり、その際には精密検査が必要となります。精密検査は通常、入院して行うことが一般的ですが、当院では入院せずに、ご自宅で受けていただくことが可能です。この検査では、脳波、筋電図、気流、胸腹部の動き、酸素飽和度など、複数の生体情報を詳細に測定し、睡眠時無呼吸症候群の確定診断を行います。精密検査により、無呼吸の頻度や重症度、睡眠の質、体への影響などを詳しく評価することができます。

当院では、これらの検査を通じて、早期かつ適切な診断を行うことで、睡眠時無呼吸症候群による健康リスクを低減し、患者様の生活の質を向上させることを目指しています。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療は、患者様の症状や原因に応じて個別に選択されます。治療の主な目標は、気道の閉塞を防ぎ、十分な酸素供給を確保することです。

持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)

CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の治療において最も一般的な方法です。鼻にマスクを装着し、持続的に空気を送り込むことで気道を開いた状態に保ち、無呼吸や低呼吸を防ぎます。これにより、酸素不足が改善され、日中の眠気やその他の症状が軽減されます。

生活習慣の改善

肥満が原因である場合、体重を減らすことが重要です。適切な食事管理や定期的な運動によって体重を減らすことで、気道が広がり、無呼吸の改善が期待できます。また、アルコールや睡眠薬の使用は、喉の筋肉を弛緩させて無呼吸を悪化させるため、これらを避けることが推奨されます。喫煙も気道を狭くする要因となるため、禁煙が勧められます。

その他の治療

軽症の睡眠時無呼吸症候群の場合、歯科で作製されるマウスピース(口腔内装置)が使用されることがあります。マウスピースは下顎を前方に引き出し、気道を広げることで無呼吸を予防します。また、解剖学的に気道が狭くなっている場合や、他の治療法が効果を示さない場合には、外科的手術が選択されることがあります。手術では、扁桃腺や軟口蓋の一部を切除するなどして、気道を広げることを目指します。
治療法は個々の患者様に合わせて選択されるため、適切な診断に基づく治療方針の決定が重要です。

治療で大切にしていること

大田区大森中・梅屋敷・蒲田のフォレスト内科リウマチ科クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の治療において、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた最適な治療方法を提案しております。CPAP療法や、生活習慣の改善を含め、包括的な治療を提供しております。
さらに、マウスピース作製や外科的手術が適している場合などは、信頼できる医療機関を紹介させていただくことも可能です。

睡眠時無呼吸症候群に関するお悩みがある方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

(2024年9月9日時点)

ご予約・お問い合わせ

03-3766-3300

24時間受付中

WEB予約