リウマチの検査

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当院における関節リウマチの検査

大田区大森中・梅屋敷・蒲田のフォレスト内科リウマチ科クリニックでは、筑波大学附属病院、国立国際医療研究センター病院などで培った豊富な診療経験、専門性の高い技術をもとに、高度医療機関と同水準の関節リウマチの検査・治療を提供しております。

関節リウマチの診療に関わる代表的な検査方法を以下に示します。
なお、必ずしも全ての検査あるいは全ての検査項目を必要とするわけではありません。

関節エコー検査

関節超音波(エコー)検査

当院では、いつでも関節エコーが受けられます。
診察の際、同時に関節エコーを行うため、別日のご予約などは必要ありません。

関節エコーは、関節リウマチの診断や病状把握に非常に有用な検査方法です。腫れや変形といった構造上の変化を捉えるだけでなく、パワードプラ法を用いることで、関節内の炎症による血流を可視化し、炎症の活動性をより正確に評価できます。これにより、滑膜の腫れや炎症を詳細に評価し、関節リウマチの早期診断に役立つことがあります。特に、血液検査でCRPが正常で症状が乏しい場合でも、エコーで隠れた炎症を発見し、骨破壊のリスクを評価することが可能です。また、エコーは骨びらんなどの微小な骨の損傷も捉えることができます。

さらに、関節リウマチの病状評価においても関節エコーは重要です。治療の効果を確認し、必要に応じて治療方針を見直すための根拠として非常に有効です。たとえ臨床的に症状が改善しているように見えても、エコーで炎症が残っている場合には、治療を強化することで将来的な関節破壊を防ぐことが可能です。
関節エコーは、リウマチ性多発筋痛症の診断にも有用です、米国リウマチ学会暫定分類基準(2012年)に基づき、肩や股関節周辺の滑膜炎や滑液包炎を非侵襲的に評価し、正確な診断を行うことができます。
このように、関節エコーは、関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症などのリウマチ性疾患の診断と病状評価において、非常に重要な検査方法です。

関節エコー検査は放射線を使わず、痛みや苦痛を伴わないため、体にやさしい検査方法です。
また、リアルタイムに病状を把握することができ、さまざまな角度から体の断面を捉えることができることなども大きなメリットです。

当院では、より質の高いリウマチ診療を提供させていただくため、エコーを活用しています。
また、関節エコーが実施可能な医療機関は少ないため、まずは当院でエコーだけ受けてみたい、などのご依頼もお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

血液検査

関節リウマチでは、血液検査によって、診断、合併症の評価、病状の把握、治療効果や副作用の評価を行います。関節リウマチの診療において、血液検査は欠かせない重要な検査です。

診断のための血液検査

関節リウマチの診断には、いくつかの特異的な血液検査が用いられます。

リウマトイド因子(RF)

RFは、関節リウマチの方の約70%で陽性となり(感度)、診断の一助となります。しかし、他の自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)や感染症、さらには健常者でも陽性になるため、特異性は低く、陽性でも必ず関節リウマチであるわけではありません。

抗CCP抗体

抗CCP抗体は抗シトルリン化ペプチド抗体の測定方法の一種で、関節リウマチにおける特異度は非常に高く、約95%です。これは、抗CCP抗体が陽性である場合、関節リウマチである可能性が非常に高いことを示しています。

C反応性タンパク(CRP)

CRPは炎症の程度を反映する指標で、関節リウマチの活動性を評価するために用いられます。一般的に炎症が強いほどCRPの値は高くなりますが、患者様によっては炎症が強くてもCRPが上昇しないことがあるため、その解釈には注意が必要です。

合併症の有無を評価するための血液検査

関節リウマチ患者は、他の膠原病や臓器障害を合併することがあるため、これらを評価するための血液検査が必要です。

抗核抗体、抗SS-A抗体

他の膠原病(シェーグレン症候群など)の合併を評価するために、抗核抗体や抗SS-A抗体を検査します。これらが陽性である場合、一般的に関節リウマチ以外の自己免疫疾患の存在が疑われます。

肝・腎機能

肝臓や腎臓の状態を評価するための検査(AST、ALT、クレアチニンなど)では、肝障害・腎障害合併の有無を把握するために行います。

KL-6

KL-6は、間質性肺炎などの肺病変を評価するためのマーカーです。関節リウマチの方では、それ自体が肺合併症をきたすことがあり、KL-6の測定がその評価に役立ちます。

治療導入前に必要な感染症の検査

免疫抑制剤や生物学的製剤などを開始する前に、感染症の有無を確認することが必要です。

B型肝炎ウイルス(HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体)

B型肝炎ウイルスの感染状況を確認するため、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体を検査します。これにより、治療に伴うB型肝炎ウイルスの再活性化のリスクを評価し、B型肝炎ウイルス核酸定量をフォローする場合があります。

C型肝炎(HCV抗体)

C型肝炎ウイルスの感染を評価するためにHCV抗体を検査します。

結核菌特異的インターフェロン-γ遊離試験(第4世代QFT)

結核菌感染の有無を調べるために、血液検査にてQFTを行います。潜在性結核感染症が判明した場合、治療に先行して抗結核薬の内服治療を開始します。

治療開始後の病状評価・治療効果判定のための検査

治療を進める中で、病状の変化や治療効果を確認するために、定期的な血液検査が必要です。

CRP

CRPは炎症の程度を反映する指標で、病状評価や治療効果判定においても重要な指標です。患者様によっては炎症が強くてもCRPが上昇しないことがあるため、その解釈には注意が必要です。

治療による副作用チェックのための検査

関節リウマチの治療には、稀に副作用を伴う場合があります。副作用を早期に発見するために、定期的な血液検査が必要です。

貧血

治療薬が貧血などの血球減少を引き起こすことがあるため、ヘモグロビンを含む血算のフォローが必要です。

肝・腎機能

治療薬により肝臓や腎臓が影響を受けることがあるため、AST、ALT、クレアチニンなどの検査が定期的に行われます。

血糖・脂質

一部の治療薬は、血糖や脂質の異常を引き起こす可能性があるため、これらの検査も必要になることがあります。

このように、関節リウマチの診療には、多岐にわたる血液検査が必要です。それぞれの検査が、診断、治療効果の評価、副作用の管理などに役立ち、患者様の安全で有効な治療に繋がっていきます。

当院では、緊急性がある場合など必要性に応じて、院内の血液検査機器により血算・生化学・CRP・HbA1cなどの一般的な検査項目の測定結果を20〜30分程度で出すことができます。
また、当院では、熟練したスタッフが採血を担当しており、採血時の痛みや苦痛を最小限に抑えるためにさまざまな工夫を行っておりますので、安心してお受けください。

X線(レントゲン)検査

関節リウマチの診療において、X線検査は非常に重要な役割を果たします。以下に、X線検査の具体的な内容とその意義について説明します。

手指のX線検査

手指のX線検査では、関節リウマチによる関節破壊の有無とその程度を評価します。具体的には、以下の点を確認します。

関節裂隙狭小化

関節の隙間が狭くなる所見で、軟骨が擦り減ることで見られます。

骨びらん

関節近くの骨が侵食される所見で、関節リウマチによる骨破壊の初期変化を示します。

骨強直

関節が動かなくなるほど硬化した状態で、関節破壊が進行した場合に見られます。
これらの所見が診断の一助になるだけではなく、Steinbrockerのstage分類を用いて関節リウマチの進行度をステージングします。また、治療により関節破壊の進行が抑制できているかを確認するために、年1回程度のX線検査(annual check)が推奨されます。関節破壊の進行がない状態を構造的寛解といい、関節リウマチにおける治療目標の一つとなります。

骨破壊の詳細な評価とスコアリング

X線検査による骨破壊の詳細な評価が必要な場合、特に臨床試験では、modified Total Sharp Score(mTSS)などのスコアリングシステムが用いられることがあります。このスコアリングにより、関節ごとの骨びらんや関節裂隙狭小化の程度が定量的に評価され、治療効果の判定に用いられます。

骨密度測定(DIP法)

DIP法(MD法)による中手骨のX線撮影を行うことで、骨密度を測定し、骨粗鬆症の有無を評価します。骨密度が低下している場合、骨粗鬆症の治療を検討します。

胸部X線検査

関節リウマチの治療前には、胸部X線検査を行い、肺病変(間質性肺炎など)や心不全の有無をスクリーニングします。治療開始後も、感染兆候がある場合には肺炎などの有無を評価するために適宜胸部X線を行うことがあります。また、年1回程度の頻度で、既存の肺病変が悪化していないか、あるいは治療による薬剤性肺障害が発生していないかなどを確認するためのフォローアップ検査が推奨されます。

このように、X線検査は、関節リウマチの診断から治療効果の評価まで、幅広く活用される重要な検査です。
手指のX線検査では関節破壊の進行をフォローし、胸部X線検査では肺や心臓の合併症をスクリーニングします。また、骨密度測定などもX線検査によって行うことがあります。
これらの検査を適切に実施することで、患者様に最適な治療を提供させていただくことが可能になります。

MRI検査

関節リウマチの診断において、MRI検査は非常に重要な役割を果たします。特に、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体といった血清反応が陰性である場合は、血液検査で診断が確定しないことがあります。このようなケースでは、画像検査が診断において大きな助けとなります。

エコーは関節滑膜の腫れや炎症など骨の外の所見を評価するのに非常に有用であり、画像検査における第一選択となります。しかし、エコーでも診断が確定せず、骨髄浮腫(骨髄内の炎症)などのより詳細な評価を行うには、MRI検査が必要となります。MRIは、関節内の構造を詳細に描出できるだけでなく、骨髄浮腫のような骨の中に生じた変化も検出することが可能です。これにより、特に血清反応が陰性の場合などにおいて、適切な診断が可能になります。

MRI検査が必要となる場合、当院の連携施設(当院近隣、あるいはご自宅近く)においてMRI検査を受けていただきます。当院で検査のご予約をさせていただき、連携施設では検査のみを受けてきていただきます。最短で検査当日に検査結果を説明することが可能です。

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