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骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は、骨の量が減少し、骨の構造が弱くなってしまう病気です。骨は肌や筋肉と同様に、絶えず新陳代謝を繰り返しており、これを骨リモデリングと呼びます。骨リモデリングには、「骨形成」と「骨吸収」の2つのプロセスがあります。健康な骨では、この骨形成と骨吸収のバランスが保たれています。しかし、骨粗しょう症では、このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回るため、骨密度が低下します。
骨粗しょう症があると、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎圧迫骨折)や、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。これらは身体を支える重要な骨ですので、これらの骨折が生じると身体機能に大きく影響することがあり、場合によっては寝たきりになってしまうことがあります。
骨粗しょう症の症状
初期段階では自覚症状がほとんどありません。また、骨粗しょう症自体が症状を来すことはありませんが、骨折などにより二次的に以下のような症状が現れることがあります。
- 背中や腰の痛み
- 身長が低くなる
- 猫背になる
- 脚の付け根に痛みがあり、立ったり歩いたりすることで悪化する など
骨粗しょう症の原因
骨粗鬆症の原因は多岐にわたりますが、主に以下の要因が関与しています。骨粗しょう症はこれらが重なって発症すると考えられています。
加齢
加齢に伴い、骨の形成と吸収のバランスが崩れます。特に50歳以上の女性と70歳以上の男性に多く見られます。年を取るとともに骨の密度が自然に低下し、骨がもろくなります。
ホルモンの変化
閉経後の女性では、エストロゲンというホルモンの減少が骨密度の低下を引き起こします。エストロゲンは骨の再吸収を抑える役割を持っているため、閉経によりその保護作用が失われることで骨が弱くなります。
カルシウムやビタミンDの不足
カルシウムは骨の主要な構成成分で、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける重要な栄養素です。これらが不足すると、骨の形成が妨げられ、骨が脆弱になります。
運動不足
適度な運動は、骨に適度な刺激を与え、骨の形成を促進します。運動不足だと骨を作る細胞の働きが弱くなり、骨量が減少しやすくなります。
喫煙と過度の飲酒
喫煙やアルコールの過剰摂取は、骨の健康に悪影響を及ぼします。喫煙は骨形成を抑制し、アルコールはカルシウムの吸収を妨げることで、骨形成を阻害します。
特定の疾患や薬の影響
甲状腺機能亢進症やクッシング症候群などの内分泌疾患、関節リウマチなどの炎症性疾患は、骨粗しょう症のリスクを高めます。ステロイドや抗てんかん薬などの長期使用も、骨粗しょう症の原因になることがあります。
骨粗しょう症の治療
薬物療法
骨粗しょう症の治療の中心は薬物療法です。骨粗しょう症薬には、大きく分けて骨吸収を抑える薬と骨形成を促す薬があります。
骨吸収を抑える薬には、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)、抗RANKL抗体製剤(デノスマブ)などがあります。
骨形成を促す薬には、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、PTH製剤(テリパラチドなど)があります。
骨粗しょう症の程度、骨折発生の有無、原因などにより、適切な薬剤を選択していきます。
生活習慣の改善
薬物治療と並行して、食習慣や運動習慣などの生活習慣の改善により骨強度を高めていくことも大切です。食事では、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKが不足しないよう、バランスの良い食事に心がけることが重要です。
また、ウォーキングなどの適度な運動は、骨に負荷をかけることで骨をつくる細胞を活性化し、骨を強くすることで、骨粗しょう症の予防につながります。ただし、すでに骨粗しょう症が進行していると骨折しやすく、運動に注意が必要な場合があります。
骨粗しょう症は
早期発見・早期治療が大切
骨粗しょう症は症状を自覚するのが難しく、本人が気づかないうちに進行している場合があります。実際に、骨粗しょう症は骨折をした時に判明することがしばしばあります。
このようなこと事態を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要必要です。定期的な骨密度測定と適切な治療を行うことで、骨折のリスクを大幅に低減させることが可能です。骨の健康を維持するためには、日頃からの栄養管理と運動、そして定期検診が欠かせません。
まずは現在の骨密度を把握することが必要です。当院でも骨密度測定が可能ですので、ぜひご相談ください。
当院が大切にしていること
大田区大森中・梅屋敷・蒲田のフォレスト内科リウマチ科クリニックでは、患者様お一人おひとりのお悩みや、これまでの生活習慣について十分にヒアリングし、無理なく続けられる食事・運動療法の提案を心がけています。
「骨粗しょう症かもしれない」「自分の骨は大丈夫だろうか」といったご不安をお持ちの方は、お気軽に当院までご相談ください。
(2024年9月9日時点)