IL-6阻害薬

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IL-6阻害薬とは

IL-6阻害薬とは

関節リウマチにおけるIL-6阻害薬は、インターロイキン-6 (IL-6) という炎症を引き起こす物質を標的とする生物学的製剤で、治療において重要な役割を果たしています。IL-6は関節リウマチにおいて、炎症を促進し、免疫系を過剰に活性化させることで、関節の腫れや痛み、さらには関節の破壊を引き起こします。IL-6阻害薬は、このIL-6の働きを抑えることで、炎症を軽減し、免疫反応をコントロールして関節の損傷を防ぎます。IL-6阻害薬は、メトトレキサートが使用できない患者様に対しても、単独で十分な効果があることが示されています。現在、日本で使用できるIL-6阻害薬には、トシリズマブ(アクテムラ®️)とサリルマブ(ケブザラ®️)があります。

大田区大森中・梅屋敷・蒲田のフォレスト内科リウマチ科クリニックでは、患者様お一人おひとりにあわせた関節リウマチ治療を提供しております。IL-6阻害薬による治療実績も豊富にございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

IL-6阻害薬の特徴

IL-6阻害薬には以下のような特徴があります。

薬の使用方法と使用間隔

IL-6阻害薬には、トシリズマブやサリルマブの皮下注射製剤などがあります。いずれも、通常2週間ごとに皮下注射を行います。なお、トシリズマブは、症状に応じて投与間隔を1週間ごとに短縮することが可能です。サリルマブは、病状が落ち着いた後に用量を減量することが可能です。

単剤治療の有効性

複数の臨床試験により、IL-6阻害薬はメトトレキサートを併用しなくても有効であり、併用した場合と同等の効果を示すことが確認されています。このため、メトトレキサートが使えない患者様でも選択しやすい薬です。

効果減弱が少ない

IL-6阻害薬では、他の生物学的製剤よりも治療開始後に効果が減少すること(二次無効)が比較的少ないと報告されています。これは、IL-6阻害薬自体が効果減弱の原因となる中和抗体の産生を抑えるためだと考えられます。このため、持続的な治療効果が期待しやすい薬です。

治療前に知っておいてほしいこと

IL-6阻害薬を使用するにあたっては、いくつかの気をつけるべきポイントがあります。
当院は豊富な使用実績にあり、安全に最適な治療を行うことが可能です。

スクリーニング検査が必要

IL-6阻害薬を開始する前には、薬を安全に使用できるかどうか確認するためにスクリーニング検査が必要です。感染症(結核、B型肝炎、C型肝炎)や肺病変の有無を確認するための検査(胸部X線)を行います。これらの検査結果に基づいて、安全に治療を開始できるかどうかが判断されます。

感染症に注意が必要

頻度は非常に低いですが、結核やニューモシスチス肺炎などの感染症に注意が必要です。過去に結核にかかったことがある患者様では、結核が再発するリスクが懸念されるため、先行して抗結核薬による治療を行うことが推奨されます。また、高齢の方や既存の肺病変がある患者様では、ニューモシスチス肺炎のリスクが否定できないため、ST合剤などによる予防が必要となります。さらに、大腸憩室を持つ患者様では、大腸憩室炎などの腹腔内感染症のリスクが高まる可能性があるため、治療中に腹痛などの症状が現れた場合には、早めにご相談いただくことが重要です。

他院を受診する際はIL-6阻害薬の使用を伝える

IL-6阻害薬は、発熱やCRP(血液検査の炎症マーカー)の数値を抑えるため、これらが感染症などの初期徴候として現れにくくなるといった特徴があります。
他の医療機関を受診される場合、これらは症状や検査結果の解釈に影響しますので、ご申告いただく必要があります。

血球減少や脂質代謝異常に注意が必要

IL-6阻害薬の副作用として、白血球、赤血球、血小板の減少が生じることがあります。軽度の変化にとどまり、問題とならないことがほとんどですが、定期的な血液検査でこれらをフォローし、適切な判断と対応を行うことが重要です。また、血中コレステロールやトリグリセリドが上昇する場合があるため、定期的に血中脂質もモニタリングし、必要に応じてその治療を行うことが推奨されます。

定期的な検査が必要

副作用の早期発見、治療効果の確認のため、定期的な血液検査が重要です。特に、副作用は早期に発見できれば、より対処しやすくなります。

予防接種に注意が必要

IL-6阻害薬の使用中は、生ワクチンの接種が禁忌とされています。生ワクチンには弱毒化された病原体が含まれており、免疫機能が抑制されている状態では感染症を引き起こすリスクがあるためです。予防接種を検討される場合は、事前に医師にご相談ください。

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