高血圧

高血圧とは

高血圧とは

高血圧は、血圧が正常よりも高い状態が続く病気です。

血圧は心臓が全身に血液を送りだす圧力のことで、最高血圧(収縮期血圧)/最低血圧(拡張期血圧)mmHgで表されます。
高血圧の診断には、病院で測る診察室血圧や、自宅でご自身が測る家庭血圧が重要です。

一般的に正常な血圧は、診察室血圧120/80mmHg未満、家庭血圧115/75mmHg未満とされています。診察室血圧が140/90mmHg以上、あるいは家庭血圧が135/85mmHg以上であるとき、高血圧と診断されます。

ただし、最高血圧が130~139mmHg、または最低血圧が80~89mmHgの場合、高値血圧と呼ばれ、高血圧の前段階、「高血圧予備群」とみなされます。

高血圧は、日本人の3人に1人の割合で見られる身近な生活習慣病で、特に中高年男性に頻度が高いとされています。

高血圧の種類

高血圧は、一次性高血圧と二次性高血圧の2つに分類されます。

一次性高血圧は、原因がはっきりしない高血圧で、全体の90%以上を占めています。生活習慣や遺伝的な要因が関係していると考えられています。

二次性高血圧は、腎臓病、内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群などの他の病気が原因で起こる高血圧です。

高血圧の症状

高血圧の状態が長期間続くと、以下のような症状が現れる場合があります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 動悸
  • 息切れ
  • むくみ
  • 視覚障害
  • 胸痛 など

 

ただし、これらの症状は高血圧以外の病気でも現れる可能性があるため、症状だけで高血圧と判断することはできません。また症状が現れた時には、すでに高血圧が進行している可能性があります。

高血圧は初期段階では明らかな症状が現れないことが多いため、重症化する前に適切な治療を受けるには、定期的な血圧測定と医師による診察を受けることをおすすめします。

高血圧の合併症

高血圧を放置すると、全身の血管や臓器にダメージを与え、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。主な合併症には、次のようなものがあります。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心不全
  • 大動脈瘤
  • 脳卒中
  • 認知症
  • 慢性腎臓病
  • 網膜症
  • 閉塞性動脈硬化症 など

こんな指摘を受けたら黄色信号

高血圧が発覚するのは主に健康診断を受けるタイミングです。以下のような指摘を受けた場合は、「毎日元気に生活できているから問題ないだろう」とお考えにならず、医療機関で検査・治療を受けるようにしましょう。

「血圧が高め」
「高血圧予備群」と言われた

最高血圧が130〜139mmHg、または最低血圧が80〜89mmHgの場合、これは「高値血圧」と呼ばれ、一般的に「血圧が高め」と言われたり、「高血圧予備群」と表現されたりします。この段階では、まだ本格的な高血圧ではありませんが、高血圧に進行するリスクが高いため、生活習慣の改善が求められます。

「白衣高血圧」と言われた

医療機関での血圧測定では高血圧と診断されるものの、家庭での血圧測定では正常値である場合、白衣高血圧の可能性があります。これは、医療機関に特有の環境が引き起こすストレスによって、一時的に血圧が上昇するためです。白衣高血圧であっても、将来的に持続性高血圧に移行するリスクが高いため、注意が必要です。

「血圧の変動が大きい」と言われた

血圧を複数回測定した際に、血圧の変動が大きい場合には注意が必要です。血圧の変動が大きいことは、心血管系のリスクが高いことを示している可能性があります。

高血圧の原因

高血圧の原因には、生活習慣が大きく関係しています。主な原因として、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレスなどが挙げられます。また、加齢や遺伝的要因も関係しています。
また、高血圧の患者さんの約10人に1人は、高血圧の原因として他の病気が隠れていることがあるといわれています(二次性高血圧)。その中でも原発性アルドステロン症という病気は比較的多く、血液検査でスクリーニングを行うことができます。また、睡眠時無呼吸症候群の合併も非常に多く、同時に治療を行う必要があります。

高血圧の治療

高血圧の治療は、主に生活習慣の改善と薬物療法の2つの方法で行われます。治療の目標は、血圧を正常な範囲に保ち、心血管疾患などの合併症のリスクを減らすことです。

生活習慣の改善

生活習慣の見直しは、高血圧の管理において非常に重要です。以下のような取り組みが推奨されます。

  • 塩分の摂取制限・・・一日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されます。これにより、血圧の低下が期待できます。
  • 体重管理・・・適正体重の維持や減量が重要です。特に内臓脂肪を減らすことが、血圧の管理に有効です。
  • 定期的な運動・・・有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)は、血圧のコントロールに役立ちます。
  • 禁煙・・・喫煙は血圧を一時的に上昇させるだけでなく、心血管疾患のリスクを高めるため、禁煙が強く勧められます。
  • 適度な飲酒・・・過度な飲酒を避け、適度に抑えることが重要です。
  • ストレス管理・・・ストレスは血圧を上昇させる要因となるため、リラクゼーションや趣味などでストレスを適切に管理することが大切です。

薬物療法

生活習慣の改善だけで血圧が十分に管理できない場合、医師は薬物療法を提案することがあります。使用される主な薬剤は以下の通りです。

  • 利尿薬・・・体内の余分な塩分と水分を排出し、血圧を下げます。
  • カルシウム拮抗薬・・・血管を広げ、血圧を下げる作用があります。
  • ACE阻害薬・・・血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンII)の生成を抑えます。
  • ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)・・・アンジオテンシンIIの作用を阻害し、血圧を下げます。
  • β遮断薬・・・心拍数を減少させ、心臓の負担を軽減して血圧を下げます。

 

治療を開始した後も、定期的に医師の診察を受けることが大切です。血圧の変動を確認し、必要に応じて治療内容の調整を行います。

治療で大切にしていること

高血圧の治療には、血圧を下げる薬物療法と、生活習慣の改善を目指す食事療法・運動療法などがあります。特に、長期的な血圧管理には、食事療法や運動療法が重要な役割を果たします。

しかし、長年の生活習慣を変えることは容易ではありません。そこで、大田区大森中・梅屋敷・蒲田のフォレスト内科リウマチ科クリニックでは、患者様お一人おひとりの生活やお気持ちに寄り添い、無理のない治療計画を提案することを心がけています。

高血圧に関してお悩みの方や、治療についてのご相談がある方は、ぜひお気軽に当院までお越しください。

 

(2024年9月9日時点)

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